運命って、信じてますか?
私はね、信じてるの。
この人だっていつも思うんだもの。
次こそ、って思うのよ。
いつかきっと運命の人があらわれる。
そんなとき、その人に相応しい私でありたいの。
今までの恋愛は、全部会長さんのためだったんじゃないかなぁ。
なんて思っちゃうのよね。
メールの返事が来ないと寂しい。
もっと好きって言ってほしい。
泣きたいときは、ギュッと抱きしめてほしい。
私のことだけ考えててほしい。
言い出したらきりがないわ。
いつも充たされてるなんてこと、あり得ないんだもの。
だけどね。
数ある欲求は、充たされなければならないものでもないって気づいたの。
私の期待に応えてくれれば応えてくれるだけ、私はその人に運命を感じるわ。
けど、その一方でどんどん欲求が細かくなって増えていくの。
そして、だんだん勘違いしてしまうの。私が思い描いた運命の人そのものだ、ってね。
理想像を押しつけて相手に無理させるか、理想像通りに動いてくれない相手に不満を募らせるかのどちらかになるわ。
いつしか気づけば、自分が愛しているのは思い描いた運命の人という幻想であって、相手じゃなくなってるの。
メールは来ないより来る方が嬉しいわ。
でも、メールの苦手な会長さんに無理に打ってほしいとは言えないの。
もっと好きって言ってほしい。
でも、恥ずかしがり屋の会長さんだから好きなんであって。
軽々しく好きって言葉は使ってほしくないの。
泣きたいときは、ギュッと抱きしめてほしい。
でも、そんなことされたらきっと甘えてしまう。
いつも頼りたくなってしまうわ。
そんな自分はイヤ。
私は自分の足で歩きたいし、誰かがいないとだめだなんて状態になるのは後免なの。
心配しながらも私が立ち直るのを見守ってくれる会長さん。
私を個人として尊重してくれてる気がして、嬉しいの。
私のことだけ考えててほしいわ。
矛盾するようだけど、私のことしか考えないのはイヤよ。
ちゃんと自立していてほしい。
責任もって考えるべきことを考えて、そのうえで私のことを考えててほしいの。
会長さんに不満がないわけじゃないわ。
でも、そのことは言わないの。
だって、ありのままの会長さんを愛したいもの。
私だって、何一つ要求しないわけじゃないわ。
けれど、応えてくれないものがあって構わない。
応えてくれないからこそ、会長さんらしいとおもえるから。そのままでいてほしいの。
会長さんは会長さんのものであって私のものじゃないんだもの。
会長さんの行動を私が決める権利はないのよ。
むしろ、縛られていてほしくない。会長さんらしくいてほしいの。
いくら好きだからって、運命の人という枠に押し込めてしまっては、歪みが酷くなるわ。
好きだから、なるべく要求しないようにする。
付き合ってるんだから当然、なんて枠をつくらないようにする。
自分が好きだという思いを押し付ける「恋」ではなく、相手を尊重して思いやれる「愛」こそが、恋愛の極意なり。
これが、会長さんと付き合うまでに私が歩んだ道から学んだ恋愛道です。


